青春備忘録

忘れないためのメモ

♯007 限界オタクに舞い降りた奇跡

勤務先は5月から休業に入りました。いつ再開できることやら…。ってわけで毎日毎日食っちゃ寝携帯ゲームをするだけの自粛生活ではさすがに廃るのでとりあえずブログを書きます。先週のはてなブログのお題が「激レア体験談」みたいなテーマだった気がする。激レア体験なんて何かあるかな〜って考えてるうちにお題変わっちゃったんですけど、ひとつだけそれっぽいものが思い浮かんだので書いておくことにします。

それは2016年の年末のこと。その週末の私の予定は、12月24日、東京・代々木第一体育館で行われる超特急のライブに行くため午前中の飛行機で東京へ。翌日25日は早朝便で北海道へ戻り、その足で札幌ドームへ向かい三代目JSOULBROTHERSのライブへ、というハードスケジュール。12月23日、私の住む北海道ではそれはそれは大吹雪。電車は止まり飛行機も欠航欠航アンド欠航。不安なまま眠り、翌朝早めに起きると外は晴れ、一安心。しかしそれも束の間。前日の大雪のため除雪が追いつかず午前中いっぱい空港までの電車は運行見合わせ。やばい。空港はそう遠くないものの家族は全員仕事、わたしは車も持っていないので移動手段は電車のみ。とりあえず準備出来次第さっさと駅に向かおう。そう思いながら準備していた矢先、三代目のライブ出演者が大雪のため移動中に事故に遭い24日及び25日の公演が延期決定。地獄かよ…。明日6時台の飛行機に乗る意味…。となりつつ明日の予定がなくなって落ち込んでる場合ではないのだ。今日の予定もなくなりかねない状況!!ひとまず最寄駅へ。もちろん電車は来ない。知ってる。終わった。代々木行きたかった。初めての代々木。無念。Twitterでは「電車午前中動かん。駅まで来たけどタクシーも出払ってるし代々木無理かもやばい無理泣く」的なツイートをしていたと思う。本州フォロワーたちが大丈夫?車は?タクシー来ない?とそれはまあ沢山心配してくれてもうそれだけでいいや…という気持ちにすらなった。しかし限界オタク、現場を諦めるなんてそんなことはできない。どうにか空港にたどり着き代々木へ行き大好きなフォロワーたちと推しに会いたい!!ちなみに超特急を追っていた時は7割フォロワーに会うために現場に通っていたと言っても過言ではなかった。てか現場で交換取引もあるぞ!現物は今このリュックの中だ!普通にやばいぞ!そしてオタク人生詰んだツイートをしながらも待てど暮らせど電車が動くことはないと知っているのでタクシー列へ。幸い列は長くなかったものの電車が動いていないためタクシーはいっこうに来ない。そしてここでわたしはこの後の運命を左右する行動を起こした。目の前に並んでいる若そうな女性がキャリーケースを持っていたので、勇気を出して声をかけた。「あの、空港まで行きますか?もしよかったら同乗しませんか?」すると女性は快く承諾してくれた、そして「今旦那が車取りに行ってるんです。タクシーより先に旦那が戻ってきたら、一緒に乗ってください。」

女神?????

その女性は女神だった。この優しさに触れただけでもう現場はいいや…と思えるほどだった。もちろん諦めないけど。しかしわたしも人並みの謙虚さと躊躇いは持ち合わせているため初対面のご夫婦のお世話になるのも申し訳ないと思い「それは申し訳ないです」と一旦お断りする。しかし「でも飛行機乗られますよね?もし間に合わなかったら困りますしどうぞ!」と優しすぎる言葉を頂く。そしてタクシーなど全く来る気配もない中現れたのはピカピカのワゴン。「旦那の車です!」と。女性は旦那さんに私たちの話の経緯と乗せてもいいよねという確認をし、これまた爽やかな旦那さんも「どうぞどうぞ!うしろ乗ってください!」と。

圧倒的神。

何度も何度もお礼の言葉と一緒に頭を下げ、お言葉に甘えて同乗させていただいた。Twitterで「やばい、神に拾ってもらって空港向かってる。間に合うかも。」と呟けば愛するフォロワーたちが「よかった!気をつけておいで!代々木で待ってる!」と沸いてくれた。ラブフォロワー。若いご夫婦は年末で地元九州へ帰省するという話だった。「どこへ行かれるんですか?」と聞かれ「東京です」と言えば「旅行ですか?」と聞かれたので馬鹿正直に「好きなアイドルのクリスマスコンサートがありまして」と答えた。幸せそうな若夫婦を前に恥ずかしがる限界オタク。羞恥。そしてさらに聞けばご夫婦の飛行機はかなりギリギリ。わたしは予定よりかなり早めに家を出ていたので余裕だった。空港に着いた瞬間わたしは必死にお礼の言葉を伝えた。ご夫婦は急いでいたのでそのままチェックインに向かいそこで別れた。一方わたしは神ご夫婦のおかげで余裕でチェックインし、余裕飛行機に乗り、若干遅れて代々木に着いた。ラブフォロワーたちは「来れて良かった〜〜〜!」と会った瞬間抱きしめてくれた。本当に愛。さらにその日泊まったホテルではクリスマスということでハンドクリームのプレゼントも貰いほくほくと幸せな気持ちで眠った。

ありそうでない激レア体験。今までで1番人の優しさに触れた日だった気がする。この世も捨てたもんじゃない。あのときのご夫婦、飛行機には間に合っただろうか。まだ同じ市内に住んでいるだろうか。別れ際が大急ぎだったのでバタバタで落ち着いてお礼できなかったことだけが心残りだ。今もあのときの感謝と嬉しさの気持ちは忘れていません。本当にありがとうございました。